私たちの体ははじめはたった1つの「受精卵」です。
何度も細胞分裂を繰り返して数を増やし約37〜60 兆個、200 種類以上もの細胞からできる体となります。
細胞分裂の途中で、それぞれの細胞が自分の役割に見合う形や機能を身につけます。
筋肉なら筋肉の細胞、神経なら神経の細胞というように細胞ごとに役割を持ち、増殖・分化していきます。
皮膚や血液のようにひとつひとつの細胞の寿命が短く絶えず入れ替わり続ける組織を保つために、私たちは体の中に失われた細胞を再び生み出して補充する能力を持った細胞を持っています。
これらの大事な能力を持つ細胞を「幹細胞」といいます。
この「幹細胞」のおかげで、私たちは受精卵から赤ちゃんになり、成長し続け大人になってからも身体の維持ができるのです。
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幹細胞の定義
①様々な細胞へと変化する「分化能力」(変身)
・体のどのような細胞でも作り出すことのできる細胞
・様々な組織幹細胞も作り出すことができる 例:ES細胞、iPS細胞
② 分裂して自分自身をコピーする「自己複製能力」(分身)
・皮膚や血液などの決められた組織や臓器において消失した細胞を補う新たな細胞を造り続ける細胞
・再生できる細胞は限定的 例:造血幹細胞は血液系の細胞へ 神経幹細胞は神経系の細胞へ
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幹細胞は、生まれた時には60億個以上存在するものの、年齢とともに減少し、60代前後ではたった1.5億個しかなくなってしまいます。
子どもの頃はけがをしてもすぐに治ったのに大人になるとなかなか治らないというのはみなさん実感されることだと思いますが、これは幹細胞の数が減り修復能力が落ちていることが原因であると考えられます。